STORY 03 / 04

被災地で受け取ったものを、
これからの備えへ。
被災地で受け取ったものを、
これからの備えへ。

防災の講話・活動写真。

6.聞いた経験を、これからの備えにつなぐ。6.聞いた経験を、
これからの備えにつなぐ。

地域で関わりを続ける中で、震災のときの避難、避難所や仮設住宅での暮らし、その後の生活について、話を聞く機会がありました。

私は、東日本大震災の沿岸被災者ではありません。聞いた経験を、自分がその場で経験したこととして語ることはできません。

それでも、受け取った経験や教訓を、これからに生かすためにできることはあると考えています。

「同じ悲しみを、ほかの誰かに経験してほしくない。」

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被災した方々のその思いが、活動を続ける理由になっています。

防災伝承の仕事では、話を聞き、資料を整理し、展示や冊子、講話、体験の場づくりに関わりました。学校や団体でお話ししたり、参加者が自分の行動を考えるワークショップを進めたりしてきました。

大切にしたいのは、遠い場所で起きたことを、遠いまま終わらせないことです。

今いる場所で揺れたら。家族と離れているときだったら。いつもの水や電気が使えなくなったら。

自分の暮らしに置き換えてみると、分からないことや、まだ決めていないことが見えてきます。

知識を伝えるだけでなく、その人が自分で考え、気づける時間をつくりたい。講座や体験を考えるときも、そのことを大切にしています。

サバイバルキャンプでの体験写真。

7.備えは、自分でも試してみる。7.備えは、自分でも試してみる。

人から聞いて知ることに加えて、私は、自分でも試すことを大切にしています。

2022年11月には、防災リュックだけを使う2泊3日の避難所生活体験をしました。水や食べ物、明かり、トイレ、寝るための準備。用意したものを、実際に使って過ごしてみました。

すると、持っていることと、使って暮らせることの間に、違いがあると分かりました。

夜の寒さや、床の硬さ。使って初めて気になる音。必要なものを取り出すときの不便。トイレのあとに手を拭くものなど、準備の中で見落としていたこともありました。

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その後は、土砂降りの中でのサバイバルキャンプにも参加しました。雨や寒さがある中で、持ち物や使い方を、もう一度考え直す経験になりました。

前に良いと思っていたものでも、使ってみると、別の気づきがある。準備したときには想像できなかった不便が、実際の生活では出てくる。

試してみたことは、うまくいったことだけでなく、困ったことも含めて伝えてきました。

これは、災害のすべてを再現できたということではありません。限られた条件の中での疑似体験です。それでも、自分の想像だけでは気づかなかったことを見つけ、次の備えを考える機会になりました。

家族や住まい、普段の暮らしが違えば、必要な備えも変わります。だから、ひとつの持ち物リストだけで終わらせず、その人の暮らしの中で考え、試して、見直すことを大切にしたいと思っています。